介護休業制度とは
介護休業は、育児介護休業法第11条に基づき、要介護状態にある対象家族を介護するために労働者が取得できる休業制度です。男女問わず、有期雇用労働者でも一定の要件を満たせば取得できます。
「要介護状態」とは、負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態を指します。
取得要件と期間
取得日数
対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として分割取得できます(2017年1月の法改正で分割取得が可能に)。
対象家族の範囲
- 配偶者(事実婚を含む)
- 父母、子(実子・養子に限る)
- 配偶者の父母
- 祖父母、兄弟姉妹、孫
有期雇用労働者の取得要件(2022年4月改正後)
申出時点で「介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6ヶ月を経過する日までに労働契約が満了し、更新されないことが明らかでないこと」のみが要件となり、取得しやすくなりました(旧要件「引き続き雇用された期間が1年以上」は廃止)。
労使協定による除外
労使協定を締結することで、以下の労働者は介護休業の対象から除外可能です。
- 雇用された期間が1年未満の者
- 申出の日から93日以内に雇用関係が終了する者
- 1週間の所定労働日数が2日以下の者
介護休業給付金
介護休業期間中は、雇用保険から介護休業給付金が支給されます(雇用保険法第61条の4)。
支給要件
- 雇用保険の被保険者であること
- 介護休業開始日前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(または賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上である月)が12ヶ月以上あること
- 各支給単位期間において、休業開始時の賃金月額の80%未満の賃金しか支払われていないこと
- 休業期間中の就業日数が各支給単位期間(1ヶ月)ごとに10日以下であること
支給額
支給額は、原則として「休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%」で計算されます。対象家族1人につき通算93日(3回まで分割)が支給上限です。
介護休暇との違い
介護休業とは別に「介護休暇」制度があります(育児介護休業法第16条の5)。両者の違いを整理しました。
介護休業 vs 介護休暇
- 介護休業:対象家族1人につき通算93日、3回まで分割可。給付金あり(賃金の67%)
- 介護休暇:対象家族1人につき年5日(2人以上の場合は年10日)、時間単位で取得可。法律上は無給(企業独自に有給化可)
介護休暇は通院の付き添いやケアマネジャーとの打ち合わせなど短時間の用事に、介護休業は施設探しや在宅介護体制の整備など一定期間まとまった対応が必要な場面に適しています。
介護のための短時間勤務等の措置
事業主は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者に対し、利用開始日から3年以上の期間で2回以上利用できる以下のいずれかの措置を講じる義務があります(育児介護休業法第23条第3項)。
- 短時間勤務制度
- フレックスタイム制度
- 始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ
- 介護費用の助成
2025年4月施行の改正ポイント
育児介護休業法の改正により、2025年4月から以下の措置が施行されています。
- 介護に直面した労働者からの申出時の個別の周知・意向確認の義務化
- 40歳到達時等の介護両立支援制度に関する情報提供の義務化
- 介護のためのテレワーク導入が努力義務に
まとめ
「ビジネスケアラー」と呼ばれる仕事と介護を両立する労働者が増えるなか、介護休業・介護休暇制度の整備と社内周知は、人材定着の観点からも重要性が高まっています。
当法人では、介護関連の就業規則整備、介護休業給付金の申請手続き、両立支援措置の制度設計までトータルで対応いたします。お気軽にご相談ください。