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パワハラ防止法の概要と企業の義務

パワハラ防止法の施行

2019年5月に成立した「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(労働施策総合推進法)の改正により、職場におけるパワーハラスメントの防止措置が事業主に義務化されました。

施行時期は以下のとおりです。

現在では、すべての企業においてパワハラ防止措置が義務となっています。

職場におけるパワハラの定義

職場におけるパワーハラスメントとは、以下の3つの要素をすべて満たすものをいいます(労働施策総合推進法第30条の2)。

パワハラの3要件

  • 優越的な関係を背景とした言動であること(上司から部下、同僚間でも集団対個人など)
  • 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動であること
  • 労働者の就業環境が害されること(身体的・精神的な苦痛を与え、能力の発揮に重大な悪影響を生じさせるなど)

なお、客観的にみて業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導は、パワハラには該当しません。

パワハラの6類型

厚生労働省は、代表的なパワハラの行為として以下の6類型を示しています。

1. 身体的な攻撃

殴打、足蹴りをする、物を投げつけるなどの暴力行為が該当します。

2. 精神的な攻撃

人格を否定するような言動、必要以上に長時間にわたる厳しい叱責、他の労働者の前での大声での威圧的な叱責などが該当します。

3. 人間関係からの切り離し

特定の労働者を仕事から外して長時間別室に隔離する、集団で無視するなどが該当します。

4. 過大な要求

新入社員に対して到底対応できない業務を押し付ける、業務とは関係のない私的な雑用を強制的に行わせるなどが該当します。

5. 過小な要求

管理職に対して誰でもできる簡単な業務を行わせる、気に入らない労働者に仕事を与えないなどが該当します。

6. 個の侵害

労働者の性的指向や病歴などの個人情報を本人の了解を得ずに他の労働者に暴露する(アウティング)などが該当します。

企業がとるべき4つの措置

事業主は、以下の措置を講じることが義務づけられています(厚生労働省の指針)。

1. 事業主の方針の明確化と周知・啓発

2. 相談窓口の設置

3. 事後の迅速かつ適切な対応

4. その他の措置

セクハラ・マタハラ防止措置もあわせて対応を

パワハラだけでなく、セクシュアルハラスメント(男女雇用機会均等法第11条)、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント(男女雇用機会均等法第11条の3、育児介護休業法第25条)についても防止措置が義務づけられています。これらを一体的に対応する体制の構築が推奨されています。

まとめ

パワハラ防止措置は、すべての企業の義務です。形だけの対応ではなく、実効性のある取り組みが求められます。ハラスメントのない職場環境は、従業員の定着率向上や生産性の向上にもつながります。

当法人では、ハラスメント防止規程の作成、相談窓口体制の構築、社内研修の企画・実施までサポートいたします。お気軽にご相談ください。

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