外国人雇用状況の届出義務
すべての事業主は、外国人労働者(特別永住者を除く)の雇入れおよび離職の際に、当該外国人の氏名、在留資格、在留期間等を確認し、ハローワークに届出することが義務付けられています(労働施策総合推進法第28条)。
届出は、雇入れの場合は翌月末日まで、離職の場合も翌月末日までに行う必要があります。届出を怠ったり、虚偽の届出をした場合は、30万円以下の罰金が科される場合があります。
雇用保険の被保険者である外国人については、雇用保険の資格取得届・資格喪失届に在留資格等を記載して届出することで、外国人雇用状況の届出を兼ねることができます。
在留資格と就労の関係
外国人が日本で就労するためには、就労が認められる在留資格を持っている必要があります。在留資格は大きく以下のように分類されます。
- 就労制限のない在留資格:永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者(どのような仕事にも就くことが可能)
- 就労が認められる在留資格(活動制限あり):技術・人文知識・国際業務、技能、特定技能、企業内転勤など(在留資格に定められた範囲内の活動のみ可能)
- 原則として就労が認められない在留資格:留学、家族滞在など(資格外活動許可を得れば、週28時間以内のアルバイトが可能)
在留カードの確認ポイント
外国人を雇い入れる際は、必ず在留カードを確認し、以下の点を確認しましょう。
- 在留資格の種類(就労が認められるか)
- 在留期間の満了日(期限切れでないか)
- 資格外活動許可の有無(留学生のアルバイトの場合)
- 就労制限の有無(カード表面に記載)
社会保険の適用
社会保険(健康保険・厚生年金保険)および労働保険(雇用保険・労災保険)は、国籍に関係なく、日本人と同様の要件で適用されます。適用要件を満たす外国人労働者を社会保険に加入させないことは法令違反となります。
健康保険・厚生年金保険の適用要件は、日本人の場合と同様に、常時雇用される従業員またはパートタイマーで一定の要件を満たす者が対象です。雇用保険も、週20時間以上の所定労働時間があり、31日以上の雇用見込みがある場合に加入義務があります。
脱退一時金制度
脱退一時金は、日本の年金制度に6ヶ月以上加入していた外国人が、年金を受け取る権利を満たさないまま日本を出国した場合に、出国後2年以内に請求することで支給される一時金です。
支給額は、被保険者期間に応じて最大60ヶ月分(2021年4月以降の出国者)の保険料が返還されます。ただし、老齢年金の受給資格期間(10年)を満たしている場合は請求できません。
なお、日本と社会保障協定を締結している国の出身者については、自国の年金制度との通算が可能な場合があります。2024年時点で、ドイツ、アメリカ、韓国、中国など23カ国と協定が発効しています。
外国人技能実習制度と特定技能
技能実習制度
技能実習制度は、開発途上国への技能移転を目的とした制度で、最長5年間の実習が可能です。技能実習生にも労働関係法令が全面的に適用され、社会保険・労働保険の加入も必要です。
なお、技能実習制度は2024年の法改正により「育成就労制度」への移行が決定しており、2027年頃の施行が予定されています。
特定技能制度
特定技能は、人手不足が深刻な分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れるための在留資格です。
- 特定技能1号:相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事(在留期間は通算5年まで、家族の帯同は原則不可)
- 特定技能2号:熟練した技能を要する業務に従事(在留期間の更新に上限なし、家族の帯同が可能)
対象分野は、介護、建設、農業、外食業など16分野に拡大されています(2024年3月閣議決定)。
まとめ
外国人労働者の雇用にあたっては、在留資格の確認や届出義務の履行に加え、社会保険の適正な適用が不可欠です。制度を正しく理解し、コンプライアンスを遵守した雇用管理を行いましょう。
当法人では、外国人労働者の雇用に関する手続き代行や労務管理のアドバイスを行っております。お気軽にご相談ください。